役に立たなかったカーナビ

カーナビといえば、見知らぬ土地でも、地図と音声によって目的地まで導いて
くれるものだと思っていた。たしかにそうである。先日熊本の息子のアパートまで
行ったときには、アパートの近くのピザ屋さんの電話番号を入力して行くのだが、
高速の熊本ICを降りてからもスムーズに誘導してくれて、迷うことなく息子のアパ
ートにたどり着くことができた。

 ところがである。娘の高校で一緒に保護者会の役員をしている友達が鼻の手
術で大牟田の医院(久留米の人間がなんで大牟田に、という理由はおいといて)
に入院することになった。一週間ほどの入院だからお見舞いは遠慮しておくわ、
と言われたのを、ドライブ代わりにそちらに行くから、ということでカーナビたよりに
出かけたのである。

 大牟田警察署の近くだからと言われていた。医院の電話番号をカーナビに入
力し、209号線から208号線に入って、快調に飛ばしていた。目的地まであと1キ
ロ、700メートル、500メートルと表示され、「あと少しで到着だわ」と思っていたと
ころで、カーナビが「目的地に到着しましたので音声案内を終了いたします」と言
う。「ええーっ、警察署は左手に見えてるけど、目的の医院はどこにあるかわか
んないよ」状態である。

 で、警察署の角を左折して(こういう場合はたいてい左折でしょう)、「カルタック
ス大牟田(カルタ記念館)」の前に車を停めてきょろきょろと探すも目的の医院は
見当たらない。結局、彼女の携帯に電話をかけて、「カルタックスの前にいるんだ
けど」と言ったら「警察署の角を左折じゃなくて右折しないとだめなのよ。右に曲
がったら、2軒目にS医院が見えてくるから」と言う。

 Uターンして交差点の向こうを見たら、あったあった。なーんだ、曲がる方角をま
ちがえてたのね。でもさ、カーナビに入力した目的地は警察署じゃなくて、ちゃん
と、この医院の電話番号を入れたのに、目的地まで責任をもって案内してくれな
いと、今回は人間ナビゲーターによって、目的地にたどり着けたけど、こんな人が
いなかったら、近くまで来ているのに目的地を探さなきゃならないような状態に
なってしまうじゃないか。

 そのことを、入院中の彼女に話したら「そんなのよね、ここ意外とわかりにくいで
しょ」と言う。何のためのカーナビだ、と言いたい。大牟田警察署までなら、カーナ
ビなんていらないよ。どっこも曲がることなく、一直線に南下してくればいいんだか
ら。

 で、カーナビっていうのは、目的地周辺は知っているけど、そこまでたどり着くの
に不安がある人が使うものだったいうことに気がついた。息子のところなんて、夫
と何度か行ったことがあるから、場所は知っているけれども、高速を降りてから市
内に入っていく道がよくわからないから、カーナビを使うのには有効なんだ。

 やっぱり、すべて機械をたよりにしてちゃだめだね。せっかく夫のカーナビを取り
上げてつけてもらったのに何にも役に立たなかった、と言うことを夫に言ったら、
「それなら、カーナビ返せ」と言われてしまった。「いや、それはご容赦を。まだまだ
遊びに行きたいところは山とあるんだから・・・」
                                       (2004.12.17 記)



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