夫が病気で仕事を休んだ!!!


はっきり言って私の夫の仕事は激務である。六日に一度は当直があるし、この年末年始
もほとんど休めなかった。お疲れ様だなー、と思う。かわいそうだなー、とも思う。だけど、
それは仕方のないことだ。自分で選んだ道だから。夫も最近では自虐的に「オレの趣味
は仕事だ。」なんて言ってるけど、仕事中毒のようなこの人が定年退職したら、何やるんだ
ろう。「オレは濡れ落ち葉になる」と夫は言う。だから私は言ってやった。「今は濡れ落ち葉
とは言わないのよ。産業廃棄物(だれも近づきたがらない)って言うんですって」と。

まー、そんな話は置いといて、とにかく年末から休みなく働いてきて、成人の日前日が当直
だった。成人の日(14日)の午前中に帰ってきて、一眠り。夕方からお決まりの愛犬「リュウ」
の散歩。そのころから、どうもおなかの調子がおかしかったらしい。他の家族は「今夜はモツ
鍋ね」と盛り上がっている。夫は食事前にお風呂に入って、モツ鍋に備えているのかと思っ
た。

しかし、なかなかテーブルにつかない。私も含め他の家族はすでに食事を済ませようとして
いるのに、夫は頻繁にトイレに駆け込むようになった。「ハハーン、風邪引いておなかの具合
が悪いんだろー」ぐらいに思ってた。だが、その夜はチト様子がおかしかった。トイレに駆け
込む回数がいつもより多いし、トイレに入ったらなかなか出てこない。体温計で熱まで測って
いる。

そのうち「ごはんはいらん」と言った。布団を引け、という。枕元に洗面器(夜中にゲロをする
かもしれないので)を用意しろ、と言う。携帯電話もだ、と言う。

「なーにいばってんのよー」と思った。「そのくらい自分でしろ」と言おうかとも思った。だけど、
そこはぐっとこらえて、ぶつぶつ言いながらしてやった。しかし、私が寝た1時ぐらいまで、苦し
そうにうなっていた。その後は私は熟睡してるから知らない。

で、翌日は当然のように起き上がれない。「仕事はどうするの?」と聞いたら、「行けるわけ
ないだろう」と言う。そりゃそうだね。布団の中から携帯で職場に電話をかけている。夫は
年休は病気でしか取ったことがないような人だから、年休は余りまくり。「気にせんでいいよ。
お大事に」とでも言われたのだろう。

それから、かかりつけのお医者さんに行くために着替えだした。「こんな病人を一人で行か
せるのかねー」と言う。「歩いていくわけじゃなし、子供たちだって風邪引いても自転車で
一人でいくわよ」と言ってやった。素直に、「車に乗せて行ってくれ」、と言ったらご同行して
あげたのに・・・

また、お医者さんから帰ってきても、りんごを擦れだの、おかゆを作れだの相変わらずうるさい
夫である。「オレが仕事に行っとるほうがよかね、と思とろーがー」と言う。「当たり前ジャン、
亭主元気で留守がいい」って、心の中でつぶやいた。「病人らしく、いちいちうるさいこと言わ
んで、静かに寝ときなさいよ」とだけ言ってやった。

夕方には何とか少し元気になった夫は、「あー、明日はまた仕事に行かんといかんとかねー。
あと一日休みたかねー」と言っている。「冗談じゃない」と思ったけど、逆説的に「年休いっぱい
あるんでしょ、休めるだけ休めば」と微笑んで言ってやった。どうせ仕事が趣味の夫にとって、
これくらいの病気で休めるわけはないのである。

そして、今朝。起きてくるのが遅いので、「もしや、また休むつもりじゃ」と思ったら、朝、お医者
さんに診てもらって仕事に行くつもりだと言う。「ホッ」。あー、これで昼間だけはいちいちうるさ
いことを言われなくてすむわ。

世の男性方、定年後に一日中家の中にいると奥さんが外出しだすって言うでしょ。あれは、
あなた方が奥さんの行動をいちいちうるさく言うからですよ。自分ではたいした趣味持たない
くせに、奥さんの趣味に難癖つけたり、自分が夜遅くまで飲んでくるのは仕事だけど、奥さんに
は一次会で帰ってこい、だの。結婚して20年も経てばお互い空気のような存在になっていて、
「なけりゃ困るけど、普段は気がつかない」ぐらいに接していればいいのにね。それがわから
ない男性はこれから不幸だよー。                         (2002. 1.16  記)

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